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映画『私がやりました』 みんなの感想、集めました!

今につながる社会テーマを扱いながらも、コミカルで痛快!? 『私がやりました』特別試写会で、ジェンダー問題を考える!

Sponsored by 映画『私がやりました』
『私がやりました』特別試写会レポート
フランス動員100万人超えを記録した、フランソワ・オゾン監督の最新作『私がやりました』(11月3日公開)のトークイベント付き特別試写会が、10月27日に開催されました。
試写会後のトークイベントの模様と、試写会に参加しPINTSCOPEに感想をお寄せいただいた皆さんの声をお届けします!

女性の生き方を魅力的に描く3部作の最終章
映画『私がやりました』

© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
STORY
有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑をかけられたのは、貧乏な若手女優マドレーヌ。法廷に立たされた彼女は、ルームメイトの新人弁護士ポーリーヌが書いた、「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する完璧なセリフを読み上げ、見事無罪を獲得。それどころか、悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、アッという間にスターの座へと駆け上がる。豪邸に引っ越し、優雅な生活を始めるマドレーヌとポーリーヌ。
しかしそんなある日、とある女が彼女たちを訪ねてくる。彼女の名前はオデット。一度は一世を風靡するも、今や目にすることも少なくなった、かつての大女優だ。そしてオデットの主張に、マドレーヌたちは凍り付く。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだ。いったい真相は如何に?こうして、女優たちによる「犯人の座」を賭けた駆け引きが始まる――!

あの時代設定が逆にリアル!
試写会&トークイベント

10月27日に、映画『私がやりました』の特別試写会が行われました。

試写会後のトークイベントには、ゲストとして、「恋バナ収集ユニット 桃山商事」代表の清田隆之さんと、映画・音楽パーソナリティの奥浜レイラさんが登壇。

本作について語る前に、お二人は以前から交流があり、今回のトークイベントでは「清田くん」「レイちゃん」と普段どおりの呼び方で進めたいとお話がありました。アットホームな会場の雰囲気が、ますます親密に!

まずは、今作についての感想を聞かれた清田さんは、「フェミニズムやジェンダーの文脈、もっと言えば2017年以降の『#MeToo』運動の要素も多分に含まれていたのに、とてもライトな感覚で観れたことにとても驚いた」と率直な印象を語りました。シリアスなテーマを繊細に扱いながらも、笑える作品に仕上げられている、そのバランス感覚に言及。

それを受けて奥浜さんは、フランソワ・オゾン監督は様々な作風がありながらも「シニカル(皮肉)」という視点は一貫してあること。また、どの作品も「社会を捉える眼差し」が的確であるということを説明。

そして今作は、『8人の女たち』『しあわせの雨傘』に続く、「女性の生き方を魅力的に探究した」3部作の最終章として、フランソワ・オゾン監督が言及していることも伝えられました。

今作では、貧乏な若手女優マドレーヌが有名映画プロデューサー殺人の容疑で裁判にかけられる姿が描かれるのですが、裁判で弁護士と検事が陪審員たちに「真実」と納得させるための要素を積み上げストーリーを作っていく様子が、「悪者」「可哀想な人」など社会的な制裁がストーリーテーリングによって決まってしまう「SNSでの炎上」や「マスメディアの報道」の構図と似ていたという清田さんの鋭い指摘が。

それは巧みな舞台設定にあると、奥浜さんが解説。今作は1935年を舞台にした戯曲が原作なのですが、オゾン監督が書き換えて、語り直していると。「現代劇ではなく、観客と映画の間に距離をつくることで、より客観的にジェンダー他の問題と向き合えるようにした」とおっしゃっていたそうです。

© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION

「既視感のある”男性ばかりの景色”」や「メディアの”女性”の取り上げ方」「新しいシスターフッドの在り方」「被害者ポジションでの語り」などといった現在につながる様々なテーマに二人の話題は広がり、最後の「実は冒頭に事件のヒントが隠されている」という奥浜さんの気になる一言でトークは終了!

「繰り返し観ることで発見がたくさんあり、観た後、今日話したようなテーマで議論したくなる映画でもあるのが、すごくいいですよね」というお二人の言葉に、観客からはウンウンとうなずく姿が多く見られました。

〈みんなから届いた声〉
映画『私がやりました』感想

10月27日に開催された映画『私がやりました』のトークイベント付き特別試写会に参加され、PINTSCOPEに感想をお寄せいただいたみなさんの声をこちらに掲載します!(PINTSCOPE編集部で厳選し、掲載させていただいております)

ご参加いただき、ご感想をお寄せいただいたみなさん、ありがとうございました。

20代女性
1930年代という時代設定も影響してると思うけど、映画全体に二元論が枠組みとしてはあって(トランス表象と読みおれる存在があるしても二元論上のものに思えた)

だが、そもそも、その二元論への・また異性愛規範への固執が生み出すあらゆる不均衡や差別を皮肉を交えて(てかずっと皮肉で笑)描いていたので

あえてこの映画ではその枠組みを「強調」する必然性があるようにも考えられたし、超楽しかった。あとクィア(特に異性愛にのっとられない存在としての)の表象のしかたが私個人的にはめっちゃリアルで、はい!今見たいやつです!ってなった。 (あとその表象も入れとくか、みたいなレベルではなく、奥浜さんが言っていた映画冒頭の描写を深読みすると、むしろこの“女女”を描くためにオゾンは制作したんじゃないかと思ってしまうほどだった)この映画はとてもおすすめできる!!

INFORMATION
『私がやりました』
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、
ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ 
配給:ギャガ
英題:THE CRIME IS MINE/2023年/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/103分/字幕翻訳:松浦美奈
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11月3日(金・祝)TOHOシネマズ シャンテ他全国順次ロードショー
© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE – FOZ – GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA – SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION
有名映画プロデューサーが自宅で殺された。容疑をかけられたのは、貧乏な若手女優マドレーヌ。法廷に立たされた彼女は、ルームメイトの新人弁護士ポーリーヌが書いた、「自分の身を守るために撃った」という正当防衛を主張する完璧なセリフを読み上げ、見事無罪を獲得。それどころか、悲劇のヒロインとして時代の寵児となり、アッという間にスターの座へと駆け上がる。豪邸に引っ越し、優雅な生活を始めるマドレーヌとポーリーヌ。しかしそんなある日、とある女が彼女たちを訪ねてくる。彼女の名前はオデット。一度は一世を風靡するも、今や目にすることも少なくなった、かつての大女優だ。そしてオデットの主張に、マドレーヌたちは凍り付く。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのだ。いったい真相は如何に?こうして、女優たちによる「犯人の座」を賭けた駆け引きが始まる――!
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