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おしえて! みんなの映画デート vol.4

「デートで観る映画は、最初から“ふたり”で決めておくべし!!」
図書館職員Mさんの場合(『Mr.インクレディブル』)

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おしえて!みんなの映画デート

デートの定番といえば「映画デート」。
映画館やおうちでなど、映画鑑賞は今もデートの鉄板です。

「映画 デート」とネットで検索してみると、「気をつけるポイント」「思わぬ落とし穴!」「デート向き映画の注意点」という見出しが。どうやら映画デートには、ちょっとしたコツがいるようですね。映画デートは、暗がりの中、2時間近くを共に過ごすという特殊なシチュエーション。どんな映画を選ぶかもまた、恋の駆け引きや顛末に大きな影響を与えるものです。では、どんなところに注意すればいいのでしょうか…?

そこで、みなさんのいろんな意味で心に残る映画デートを教えていただき、そこから教訓を導きだそうというコーナー、題して「おしえて! みんなの映画デート」をはじめました。

第4回の教訓はこちらです!

映画デート 教訓その4
「映画デートは、映画を選ぶ時からすでにはじまっている! どの映画をふたりで観るかで、意味が変わってくるぞ!!」

では、その一例をご紹介しましょう。

図書館職員Mさん(30代女性)の場合
(あるある度★★★ 泣ける度★☆☆ あの時君は若かった度★★★)

人から勝手に「大人しそう」「優しそう」と見られるのが昔からコンプレックスだったわたし。自分で言うのもなんですが結構しっかり者だと思うし、たぶん自分の意見も持ってる方だし、頑固であまのじゃくなところもある。なのに、見かけのイメージだけで、判断されることが多いんです。だから、そういうことが起きるたびに、哀しくなったり、必要以上にイラっとしたりしてしまいます。

そんな風にイライラしてしまった、ある映画デートがあります。それは、わたしがまだ大学生だった時のこと。相手は、小・中学校が同じで、高校は別、その後、大学でまた一緒になった同い年の男の子でした。再会後にひょんなことから、わたしの親友の女の子と、彼と三人でご飯に行くことに。その帰り道、彼から「今度は二人で会おうよ」と誘われ、わたしはその場で即OK。映画を観に行くことになったんです。

実は小学校の時、わたしは彼にほのかな恋心を抱いていました。さらにデートに誘われた当時はまだ誰とも付き合ったことがなかったので、昔好きだった彼に誘われ、正直かなり舞い上がっていました。でも、家に帰ってから冷静になって振り返ると、今の彼への気持ちは「好きとは違うかもしれない…」と思い直しました。もうすでにOKしてしまった映画デートを今更断ることはできないけれど、あくまで友だちとして、思わせぶりな態度はとらないよう気をつけようと思いました。

その頃、日本で大ヒットしていた映画があります。それは、『いま、会いにゆきます』(2004年)。亡くなったはずの妻(竹内結子)が死の1年後、夫(中村獅童)と子どもの元に戻ってくるというストーリーで、当時ものすごく泣けると話題になった恋愛映画です。彼はこの映画を観ようと言うんじゃないか…? となんとなくそう思っていました。でもそんなロマンチックな映画を一緒に観てしまったら、もう彼の気持ちを応えているも同然で、そのこと自体が思わせぶりな態度になってしまうんじゃないかな…と思いを巡らせていたのです。

そうやって考え過ぎたせいか、まったく気分が乗らないまま迎えたデート当日。お昼頃に駅で待ち合わせして、まずはチケットを買いに映画館に行きました。彼が「観よう」と提案してきたのは、やはり『いま、会いにゆきます』。ばっちり予想的中…。わたしは彼に勘違いさせては申し訳ないと思い、スーパーヒーロー一家が織りなす冒険活劇コメディのピクサー映画『Mr.インクレディブル』(2004年)をゴリ押ししたのです。実際、その頃わたしが一番観たいと思っていた映画でもありました。彼は浮かない顔をしていましたが、それを観ることに。

映画の上映まで時間があったので、ファミレスでランチして待つことになったのですが、その会話中、彼の軽率な態度がすごく気になりました。そして、はっきりと「そういうのよくないと思う」と伝えたところ、自分にスイッチが入ってしまい、どんどん説教みたいになってしまって(笑)。ひととおり私が話した後で、彼が苦笑いしながら一言。

「もっとフワフワした感じの子だと思ってた」

…出ました「フワフワした感じの子」! 彼もまた、今まで出会った多くの人と同じように、わたしを見た目で判断しているのだと悟りました。これを言われて完全にカチンときたのは言うまでもありません。

今すぐにでも帰りたい気分だったけど、映画だけは純粋に楽しもうと心に決めて映画館へ。作品自体はすごくおもしろくて、特に、ヒーロー一家のしっかり者のお母さん・ヘレンの「絶対に自分の家族を守る」と心に決めたその生きざまが本当にかっこいいと思いました。

帰り道にその感想を彼に伝えてみたのですが、全然ピンときていない様子で、話がまったく噛み合わず……。帰る方向は一緒だったけど、電車の中でほぼ会話ゼロ。あまりの気まずさに耐えられなくなったわたしは、用事もないのに「寄るところがあるから」と言って途中下車してしまいました。

相手がわたしのことを外見だけで判断した上に、実際わたしが好きなものやおもしろいと思うことを受け入れてもらえなかったということが、とてもショックでした。ひたすら勝手な先入観で判断されたのに嫌気がさして、彼とはもうそれっきりです……。

おしえて!みんなの映画デート

《教訓その4 まとめ》

多分、彼はMさんと別れた後、「何が悪かったのだろう…」と頭に「?」がたくさん浮かんだはず。たしかに、相手が最初から乗り気ではないデートって、そこからの巻き返しは難しいですよね…。では、どうしたら乗り気じゃない彼女とたのしい時間が過ごせたのでしょうか?

ポイントはここ!→映画デートをする時は、最初から観る映画を決めておく! 映画デートと一括りにされがちですが、実は、どういう作品を観るかでその時間がどんなものになるか大きく変わってきます。恋愛映画、ホラー映画、コメディ、アクション…それぞれの人にとって、各映画の捉え方は違うはず。Mさんのように、「恋愛映画を、まだ好きではない人と観るのは厳しい…」という人も多いのでは?

誘い文句は、「映画デートをしよう!」ではなく、「『○○』の映画を観るデートをしよう!」にしましょう。そのためには、まず相手に「何を観ようか?」と相談してみること。思わぬ相手の価値観などに気づけて、お互いを深く知れるきっかけになるかもしれませんよ。

その上で観賞後、相手の感想を素直に受け止められたらもう完璧! Mさんも彼も最初から『Mr.インクレディブル』を観るとわかっていたら、このデートへの構え方も変わっていたかもしれません。そして彼に「フワフワではない自分に気づいて、受け入れてもらえた」ら、ハッピーだったはず…。映画を選ぶプロセスから映画デートははじまっているのです!

よかったらぜひ、みなさんの映画デート体験も教えてください!

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PROFILE
イラストレーター、漫画家
日向山葵
Wasabi Hinata
1991年生まれ、東京都出身。多摩美術大学絵画学科版画専攻卒。2年半の会社員生活の後、2018年よりフリーランスとして制作活動をスタート。独特な曲線で描かれる人物イラストからタイポグラフィーまで、その作品はシンプルながらもポップで親しみやすい。近年ではシャムキャッツやTHE FULL TEENZ、1983など、バンドのグッズやジャケットも手がける。2020年にはGINZA WEBにて短期連載漫画『パーフェクトシンドローム』が公開された。
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