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熊谷和徳の映画往復書簡 #6

父・熊谷和徳から
娘・NiKiへ
「I believe in you !」

手紙だからこそ、語れることがある。ニューヨークと日本を拠点に世界で活躍されているタップダンサー熊谷和徳さんが、交流のあるアーティストたちと日常の気づきや心に残った映画について語り合う「映画往復書簡」。
娘のNiKiさんとの往復書簡を、お二人が描かれた絵とあわせてお届けします。今回お二人が観た映画は、バレエ・ダンサーを目指す少年の姿を描いた、スティーブン・ダルドリー監督の『リトル・ダンサー』です。
タップダンサー
熊谷和徳
Kazunori Kumagai
1977年 宮城県生まれ。15歳でタップダンスを始め、19歳で渡米。ニューヨーク大学で心理学を学びながら、本場でタップの修行に励む。20歳でブロードウェイのタップダンスミュージカル「NOISE/FUNK」のオーディションに合格。その後、ニューヨークをはじめ世界各国のダンスシーンで活躍し、タップ界のアカデミー賞ともいわれる「フローバート賞」「Bessie Award最優秀賞」と数々の権威ある賞を受賞。19年にはNewsweek Japanにて『世界で活躍する日本人100人』に選ばれる。現在はNYを拠点に世界中で公演を行うかたわらKAZ TAP STUDIOを日本に構え東京と故郷仙台にて後進の育成にも取り組んでいる。
東京オリンピック2020開会式においてソロパフォーマンス出演ほか、タップダンス振付、楽曲の作曲をおこなった。

熊谷和徳 公式HP: www.kazukumagai.net

みなさん、お元気でしょうか?

久しぶりに娘のNikiとの往復書簡をしてみました!
前回に娘と書いたのが、パンデミックがちょうど始まる頃のタイミングで、月日の変化と時代の変化を感じました。 様々なことがこの数年で大きく変わりましたが、その中にも普遍的で変わらないこともあるということも、今回の往復書簡を通じて自分が感じたことでした。
僕と娘は映画について話すことがとても好きで、それぞれの感じたポイントについてよく話しています。
今回観た『リトルダンサー』は、Nikiが小さい時に一度観た映画なのですが、その時にイギリスの音楽がとても好きになり、それからイギリスの文化にも興味をもって一度行ってみたいといつも言っています。
幼い頃観た時にはわからなかった、映画のキャラクターの心情や時代背景なども今は理解しているようで、以前よりも深く感動しているようでした。
なかでも、自分が興味深かったのは、カメラアングルにも心情を感じるようで、家族のカメラマンの写し方で、クリスマスのシーンで家族全員がいてお兄さんだけが鏡に映っている場面があるのですが、そのアングルがとても良かったと言ってました。僕は全く覚えていないシーンだったのですが、見返すとすごくその描き方がエモーショナルで、視点が面白いなと感心しました。
常日頃から自分も娘のその視点からインスパイアされることが多いことに気づかされます。
一度観たみなさんも是非見返してみてくださいね。

あと最近娘と僕の共通の好きなことは絵を描くことなんですが、最近描いた二人の絵も載せてみます。

また映画について一緒に書きたいねと話していたので、娘の成長とともにこれからもぜひ続けてやってみたいなと思います!

熊谷和徳

絵:熊谷和徳
絵:熊谷和徳
絵:熊谷 にき
絵:熊谷 にき
前回のにきさんとの往復書簡
PROFILE
タップダンサー
熊谷和徳
Kazunori Kumagai
1977年 宮城県生まれ。15歳でタップダンスを始め、19歳で渡米。ニューヨーク大学で心理学を学びながら、本場でタップの修行に励む。20歳でブロードウェイのタップダンスミュージカル「NOISE/FUNK」のオーディションに合格。その後、ニューヨークをはじめ世界各国のダンスシーンで活躍し、タップ界のアカデミー賞ともいわれる「フローバート賞」「Bessie Award最優秀賞」と数々の権威ある賞を受賞。19年にはNewsweek Japanにて『世界で活躍する日本人100人』に選ばれる。現在はNYを拠点に世界中で公演を行うかたわらKAZ TAP STUDIOを日本に構え東京と故郷仙台にて後進の育成にも取り組んでいる。
東京オリンピック2020開会式においてソロパフォーマンス出演ほか、タップダンス振付、楽曲の作曲をおこなった。

熊谷和徳 公式HP: www.kazukumagai.net
FEATURED FILM
監督:スティーヴン・ダルドリー
出演:ジェイミー・ベル、ジュリー・ウォルターズ 、ゲイリー・ルイス
1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者のパパと兄トニー、おばあちゃんと暮らしていた。そんなある日、ビリーの通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってくる。ふとしたきっかけからレッスンに飛び入りしたビリーは、バレエに特別な開放感を覚えるのだった。教室の先生であるウィルキンソン夫人もビリーに特別な才能を見出し、それからというものビリーはバレエに夢中になるのだが……。
INFORMATION
熊谷和徳『Hear/Here』
KAZUNORI KUMAGAI
with SHOKO TANIGUCHI and THE FREEDOM JAZZ DANCE.

2023年1月21日(土) OPEN 14:30 / START 15:00
2023年1月22日(日) OPEN 14:30 / START 15:00
@横浜赤レンガ倉庫1号館 3階ホール

■TICKET
発売日:未定
全席自由 ¥7,800(税込)
※未就学児童入場可・有料

■お問い合わせ
Coolmine : 022-796-8700 (平日11:00~19:00)
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