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カズ 元気ですか〜〜?
気のおけない友達への手紙の時はついつい〜〜線入れちゃうんだよね。
だって 元気ですか?って文字だけいれるとなんか深刻に相手に聞いている気がしちゃっ
てさ、ちがうっすちがうっすよ~~! ってね。
これってきっと言葉よりもニュアンスを伝えたいんだろうね?
受け取る側の空間に初めに一言響きたいのかもしれないな。音の表情で。
いつだったかラジオで金田一秀穂さんが「携帯の絵文字は会話に揺れを作るために
使ってるんだよ」って話をされていた。誰もが同じように使うパソコンの文字に、
自分なりの揺れや余韻を作るために絵文字をいれてるんだって言われていて
すごくしっくりきたなぁ 救われた気がしたんだ。
この身のままに揺れていたいんだな
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歌詞書く時になっていつも陥るのが あれ? 何書きたいんだっけ?
文字にすることってなんだったっけ?ってね
僕が日々暮らしていて胸が熱くなるのは 余韻 だったり 表情 声色 なんす
直線で描かれた正しさや物言いよりも、割り切れない瞬間に『どちらも大切なのに…』
と声を失っている様に強く胸を打たれたり、自分をかさねたくなるのかもしれない。
今は見えないけど 確かに残る 気配 声 街並み が
理由もなく、でも確かに立ち上がってきて 『おーーーーい!! おーーーーい!!!』
って叫びたくなるそんなことなんだな。
僕は詩人ではないから 足りない部分は声に委ねてる
声で揺らすんだ
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子供の頃に一人でよくやってた遊びがあってね、楽しかった夏休みが終わって
どうにも気が乗らない学校が始まると、部屋で好きな歌を歌うんだけど
夏休みで一番好きだった瞬間を思い浮かべて歌うんだよね。
軽井沢に家族でいった時の足元いっぱいに落ちた松の葉を踏んで
モワッと浮かぶフクフクの蒼の香り、鬼ごっこして追いかける兄貴の後ろ姿
洗濯機の裏のカビ臭さとか、車の下から覗き見る僕のいなくなった世界
目が回るほど心臓を高鳴らせて走り回った瞬間
耳も目も鼻も全部使って思い出しながら歌うんだよ、小さな小さな声で
その好きだった思い出の空間を、超えないように壊さないように小さな小さな声で
繰り返し繰り返しすると タバコの先っちょの大きさだった記憶の火種が大きく大きく
なって、いつの間にか目も耳も鼻も時空を超えてもうその場所にいるんだって遊び。
『これ いつでも夏休みに戻れて無敵じゃん!?』て遊び
(げっ? これ結局今の自分の歌い方と変わらないかも。)
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カズのタップにもその感覚を遊びを感じてる
きっと 小さな小さな記憶を一個一個零さぬように鳴らしているんじゃないかって
初めはきっと独り言だったと思う、誰にもわからない自分だけの言語
でもそれを思って想って何度も何度も繰り返して
一つずつ 『言足』 集めて遠くに遠くに響くように鳴らすうち
一人二人三人何千何万人と共感するtapになったんだろうなって客席で聴いてるよ。
僕も海外でもし弾き語りをこういう感覚で歌った時日本語を知らない人たちに
どんな響きで伝わるんだろう?
その時は 横で頷くように 言足 踏んでくれない?
教えてくれた映画 『Mad Hot Ballroom』 良かった!!
いろんなシーン 先生達の生徒への想いも 子供達の愛嬌たっぷりで吹き出しちゃうよ
うな会話も(女の子達の男子への冷静な物言いが最高におかしくてかわいい!)
でも特に好きなのは、テリー先生がダンスをより上手く踊るポイントを教えるシーンで
『ここは すっ と動くんじゃなくて深くためを入れて…ほら ホ~~~ウ 』
ってシーン。 確かに少しためを入れるとあっという間に動きに下から気持ちがせり上
がってることの凄さ!見てるこっちも先生につられて『ホ~~~ウ』って声が出るね
先生も説明しながら目をつぶって自分に一瞬で情熱的に入り込むんだよね
生徒なんて置いてくくらい 自分に入る一瞬 めちゃんこ好き。。
(すごいピンポイント!)
最近縁あって カズ含め コンドルズの近藤良平さんや 湯浅永麻さん の
最高のダンスパフォーマンスを近くで見せてもらえるようになって体の動きにとても興
味があるんだ。体の動きってきっと言葉になる前の言葉でしょ?
もう一度ここから言葉が生まれたらいいのにな。
きっと今ある言葉だけじゃ言い尽くせない複雑な感情が、今の世界には蠢いている
んじゃないかとふと思う。
それを言い尽くせないからイライラしてしまったり変に高揚したり帰る場所がないね。
そう感じるのは自分の内側を見ていてもそう感じることが多いからなんだけど、
そういう息苦しさがダンスを見ているとスーッと翻訳されていくんだ。
素晴らしいダンスを見ていると、全身が喜ぶ
『青』 といっても 『ソ・ラ』 と言っても『窓』 と言ってもいいじゃないか
確かにある熱をってね。
映画は『海よりもまだ深く』(2016)この映画はエンディング曲と劇中曲で僕もかかわら
せていただいたんだけど。この映画の中の物音が好きなんだ襖が閉まる音とか
団地の反響音 鉄の扉 監督が実際に住んでいた団地なんだって。
だから映画の編集時に物音にはすごくこだわったってお話を聞きました。
家族は物音で会話しているんだと教わったよ
あ、げんきないな? とか おなかすいてんな? とか
意識してなかったけどそうやって物音で確認してる時ってあるね。
ぜひ そういう耳で一度観てみて。
![](https://www.pintscope.com/wp/wp-content/uploads/2019/10/kumagai-ofukusyokan-02-04.jpg)
Have a nice day!!
追伸
例のスナック定食も始めたそうです。