PINTSCOPE(ピントスコープ) 心に一本の映画があれば PINTSCOPE(ピントスコープ) 心に一本の映画があれば

どうしても語らせてほしい一本 「大事な人と観たい、大事な人に届けたい映画」

成功は、競争に勝つことではない。「今を楽しむ」ことを、子供と一緒に確かめたい。
『きっと、うまくいく』

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(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved
ひとつの映画体験が、人生を動かすことがあります。
「あの時、あの映画を観て、私の人生が動きだした」
そんな自分にとって特別な、そして誰かに語りたい映画体験記。
今回のテーマは、「大事な人と観たい、大事な人に届けたい映画」です。
あなたが今映画を一緒に観たい、届けたい人は誰ですか?

当時の私は、育児休業から職場復帰したものの、初めての育児と仕事と家事の両立に疲れ果てていました。周囲のママと自分を比べては落ち込み、何もかも中途半端で、何一つうまくこなせない自分に嫌気がさして、とにかく現状から逃げ出したい一心でした。

そんな時、息子と一緒に楽しめる作品を探そうと訪れた動画配信サービスサイトで、目に留まったのが『きっと、うまくいく』です。映画を観る元気すらなかったはずが、そのタイトルに惹かれて観始めました。歌って踊るミュージカルあり、笑いあり、アクションあり、友情、ロマンス、家族愛……と、要素は盛り沢山。長編ながらも物語と登場人物たちの魅力に引き込まれ、爽快なハッピーエンドを迎える、あっという間の170分間でした。

(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved

『きっと、うまくいく』に登場する成績優秀な主人公・ランチョーは、探求心旺盛で型破り。そのランチョーの破天荒な姿は、当時の卑屈な私に3つのことを教えてくれたのです。「こころはとても臆病だから麻痺させる必要がある」こと、「成功とは競争に勝つこと(高学歴・高収入・好成績)ではなく、好きなことに熱中したあかつきに得られるものだ」ということ。最後に「今を楽しみ、今を生きる」ことの大切さを。

私は、この映画を観て、どんなに優秀な人でも臆病なこころがあることを知りほっとしました。そして、臆病な部分との付き合い方がわかり、強くなれたように思ったのです。周りと比べることをやめ、あれほど逃げ出したかった「今」にフォーカスした暮らしを心がけ始めると、いつしか気持ちが軽くなっていたことに気が付きました。

(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved

そして今、私の目の前には学校再開にむけて準備中の小学生の息子が2人…。

普段からエネルギッシュで活動的な彼らが、以前からそうであったかのように「今」の生活にすっかり順応して楽しんでいます。近所の小川でカナヘビを追い回し、家に帰れば時間が経つのも忘れて生き物科学漫画と図鑑をめくる長男。連れ帰ったカナヘビを室内で手荒に遊ばせる次男。そんな二人に、ついつい母としての私は「学校の課題は終わったの?」「もっと勉強しないと苦労するよ」と言ってしまいます。でも、もしかすると彼らはちゃんと自分の「好き」を知っていて、学ぶ楽しさを学んでいる最中なのかもしれません。

(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved

だからこそ、この映画を彼ら自身の感性で受け止めて欲しいなぁと思います。それは、大切なのは競争での勝ち負けじゃないということを、自分自身で感じとって欲しいから。彼らはきっと、この先さまざまな場面で困難に直面するでしょう。そんな中でも「好き」な事への探究心と情熱を燃やし続け、今を生きることを忘れず、友情を大切にできれば、「きっと、うまくいく」。

(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved
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FEATURED FILM
(C) Vidhu Vinod Chopra Production 2009.All rights reserved
DVD&Blu-ray好評発売中
Blu-ray: 5200, 円+税/DVD: 4,200 円+税
販売元:ハピネット
PROFILE
徳下あおい
Aoi Tokushita
2児の母。編集プロダクション、雑貨メーカーを経て、現在はベーカリーのSNSやフリーペーパーの編集・ライティングを担当。
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