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映画の言葉『アナザーラウンド』劇中曲「What a Life」より

「5年後は未知の世界 ただ今を生きている」

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『アナザーラウンド』
©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V.
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

5年後は未知の世界 ただ今を生きている

By 劇中曲「What a Life」

『アナザーラウンド』より

仕事や一日の終わりに一杯を飲む人の表情ほど、お酒の魅力を伝えるものはありません。私はすぐに気分が悪くなってしまうため、お酒が飲めず、その喜びを知らないまま人生を終えることを少し残念にも感じています。

マーティン(マッツ・ミケルセン)は冴えない日々を過ごしている高校教師。今の自分は“退屈な人間”なのではないかと思い悩んでいます。あるとき同僚3人と食事をしていると、「血中アルコール濃度は常に0.05%に保たれているのが理想」というノルウェー人哲学者の理論が話題に出ます。彼らはその理論を証明するため、自らの身体で実験することにしました。平日は朝から酒を飲んで授業に臨む4人。すると、やる気がみなぎり授業は生き生きとし、人生が上手く回り始めたではありませんか! しかし、酒量が上がるにつれて生活に異変が生じ始めます。

デンマークではアルコール度数によっては16歳からお酒を購入できるうえ、飲酒に関しては年齢制限がないそうで、本作に登場する高校生たちも当たり前のように飲酒をしています。生活の中にお酒が深く入り込んでいる社会なのでしょう。とはいえ、勤務中の飲酒、ましてや酩酊するほど酒を飲むのはNG。大方の予想通り、その先に待っているのは良いことばかりではありません。

お酒には悪い面も、良い面もあります。飲み方を間違えれば人生を狂わせる凶器にもなりますが、淡々とした毎日に活力を与え、大切な日をさらに輝かせてくれる魔法の水にもなります。マーティンたちにとってはお酒でしたが、あらゆるものには良い面と悪い面があり、成功のきっかけにも、転落のきっかけにもなり得るのだと思います。

「5年後は未知の世界 ただ今を生きている」

これは、プロローグとラストシーンで流れる曲「What a Life」の歌詞の一部です。退屈な日々にうんざりしても、泥酔して大失敗しても、人生は1回きりであり、誰もが「今」を生きることしかできません。

未来への不安を抱えて立ち止っていたとしても、勇気を持って一歩を踏み出したとしても、経験できる人生はひとつ。それなら、自分の人生の選択を肯定して生きていこうではありませんか。中年の危機を打破するため、無謀な実験に臨む男たちを描いた本作で謳われているのは、そんな人生賛歌です。奇跡のように素晴らしいラストシーンを見つめながら、「やっぱりお酒が飲めたら良かったなあ」と、思わず呟いてしまいました。

↓劇中歌「What A Life」を聴く!

What A Life (From the Motion Picture “Another Round”) [Explicit]

BACK NUMBER
INFORMATION
『アナザーラウンド』
出演:マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、マグナス・ミラン、ラース・ランゼ、マリア・ボネヴィー 
監督:トマス・ヴィンターベア
配給:クロックワークス

9月3日(金)全国公開(もしくは全国ロードショー)
©2020 Zentropa Entertainments3 ApS, Zentropa Sweden AB, Topkapi Films B.V. & Zentropa Netherlands B.V. 
第93回アカデミー賞®国際長編映画賞を受賞し世界中で映画賞を総なめにしている本作。主演は『ファンタスティック・ビースト3』『インディ・ジョーンズ5』への出演も決まった北欧の至宝マッツ・ミケルセン。名匠トマス・ヴィンターベアとは『偽りなき者』に続き二度目のタッグ。

マッツ演じる冴えない高校教師とその同僚3人は、ノルウェー人哲学者の理論を証明するため、仕事中にある一定量の酒を飲み、常に酔った状態を保つというとんでもない実験に取り組む。すると、これまで惰性でやり過ごしていた授業も活気に満ち、生徒たちとの関係性も良好になっていく。同僚たちもゆっくりと確実に人生が良い方向に向かっていくのだが、実験が進むにつれだんだんと制御不能になり…。
PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
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