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映画の言葉『リトル・フォレスト 夏・秋』ユウ太のセリフより

「自分自身の体でさ、実際にやったことと、その中で感じたこと考えたこと、自分の責任で話せるのってそのぐらいだろ?」

『リトル・フォレスト 夏・秋』橋本愛
©「リトル・フォレスト」製作委員会
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

自分自身の体でさ、実際にやったことと、
その中で感じたこと考えたこと、
自分の責任で話せるのってそのぐらいだろ?

By ユウ太

『リトル・フォレスト 夏・秋』より

五十嵐大介の漫画を映画化した『リトル・フォレスト 夏・秋』の主人公・いち子(橋本愛)は、一度都会に出てから、生まれ育った田舎の集落に戻ってきた若い女性。いち子は集落の人々と交流し、野菜や米を育て、料理を丁寧に作って暮らしています。そうやって自然と向き合いながら、彼女が自分自身を見つめていく姿が描かれます。

この言葉は、近所に住むいち子の後輩・ユウ太(三浦貴大)のもの。いち子と同じUターン組であるユウ太は、故郷に帰ってきた理由を「他人が作ったものを右から左に移してるだけの奴ほど威張ってる。薄っぺらな人間のカラッポな言葉を聞かされるのにウンザリした」と語ります。

日々SNSを眺めていると、知った風な言葉が溢れているのに気づかされます。失敗した人を上から目線で袋叩きにする言葉、懸命に努力したり戦ったりしている人を冷笑する言葉。失敗し傷ついたことがある人間ならば、そう簡単に他人を揶揄することなどできないでしょう。あまりに多くの情報に触れて「経験した気になっている」からこそ、簡単に無責任な言葉を巻き散らせるのかもしれません。

誰もが野菜を育て、生き物をほふる経験をするのは難しい。でも、自分の無知と無経験を自覚し、想像力を働かせることはできるはず。言葉を紡ぐとき、この言葉を胸に「自分の責任で話せること」を常に考えていたいと思います。

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PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
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