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映画の言葉『メタモルフォーゼの縁側』市野井雪のセリフより

「人って 思ってもみないふうになるものだからね」

©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

人って 思ってもみないふうに
なるものだからね

By 市野井雪

『メタモルフォーゼの縁側』より

「なりたい自分」になるため一歩踏み出したり、「今の自分」を変えてみたりすることを、ちょっぴり怖いと思うことはありますか? 本当は、それが今の自分にとって一番やってみたいことなのに。

『このマンガがすごい!2019』などで数々の漫画賞を受賞した、鶴谷香央理による人気漫画を映画化した『メタモルフォーゼの縁側』。人づきあいが苦手な高校生・佐山うらら(芦田愛菜)と夫を亡くし一人で暮らす75歳の婦人・市野井雪(宮本信子)は、BL漫画をきっかけに本屋の店員とお客さんとして出会います。そして、好きなものを周りの人に言えなかったうららと漫画の話をする相手が欲しかった雪は、一緒に大好きな漫画を読み語り合う「友達」になっていくのです。

沢山の漫画を熱心に読むうららに「自分でも描いてみたいと思わないの?」と雪は聞きますが、うららは「私なんかそんな才能ないので」と踏み出せずにいます。高校卒業後の進路もそろそろ決めなければなりません。

「人って 思ってもみないふうになるものだからね」

これは、そんなうららに雪がかけた言葉です。この言葉をきっかけに、うららはノートに漫画を描き始め、やがて二人はある夢を追いかけることになっていきます。

「メタモルフォーゼ」は「変身」を意味する言葉なのだそう。
本当は挑戦してみたいことや自分のなりたい像があるのに、周りの目を気にしたり、自分を信じきれなかったりして、踏み出せないこともあるでしょう。今の自分を変えることが簡単なことだとは思えないかもしれません。でも、好きなものに正直に。うららのようにノートへ漫画を描くことから始めてみると、もしかすると何か変えることができるのかもしれない。

自分を変えることは、本当は怖いものではなく、そこには青春のようなワクワクとドキドキが詰まっているのかもしれない。そう雪の言葉が教えてくれた気がしました。

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INFORMATION
『メタモルフォーゼの縁側』
原作:鶴谷香央理「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWA) 
脚本:岡田惠和 
監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜 宮本信子 高橋恭平(なにわ男子) 古川琴音 生田智子 光石研 汐谷友希 伊東妙子 菊池和澄 大岡周太朗  
プロデューサー:河野英裕 谷戸豊 大倉寛子
配給:日活  

2022年6月17日全国ロードショー中
公式サイト: https://metamor-movie.jp/
公式Twitter: @metamor_movie
©2022「メタモルフォーゼの縁側」製作委員会
佐山うらら、17歳。
みんなみたいにキラキラできない女子高生。
唯一の楽しみは、毎日こっそりBL漫画を読むこと。

もうひとりの主人公・市野井雪、75歳。
夫に先立たれ、人生の終わりがちらつく今日この頃。

ある日、ふたりは同じ本屋にいた。
うららはレジでバイト。その目の前に出された一冊のBL漫画。
顔を上げるとそこにいたのは雪だった。

雪はBLの意味さえ知らず、きれいな表紙に惹かれ思わず手に取っただけ。
初めての世界に驚きつつも、男子たちの恋物語にすっかり魅了され、老いた身体にときめきがよみがえる。
続きが読みたい。雪は新刊を求め、再び本屋へ向かうのだった…。

こうして出会ったうららと雪。
好きなものを語り合える「友達」ができた。

あくなきBL愛を語り合う日々の中、雪が言う。
「うららさんは自分で漫画描きたいと思わないの?」

そして、ふたりはある挑戦を決意。

それは創作漫画の即売会「コミティア」への出展。

年の差58歳、うららと雪の挑戦がはじまった。
そしてそれは、あるメタモルフォーゼ(=変身)をもたらしていくことになる——。
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