PINTSCOPE(ピントスコープ) 心に一本の映画があれば PINTSCOPE(ピントスコープ) 心に一本の映画があれば

映画の言葉『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』ブリット=マリーのセリフより

「割れたガラスの破片をただ片付けたくて、人生を片付けてしまった」

©AB Svensk Filmindustri, All rights reserved
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

割れたガラスの破片をただ片付けたくて、
人生を片付けてしまった

By ブリット=マリー

『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』より

自分の人生、守りに入っているなと感じることはありませんか? そんなあなたに捧げたい言葉をご紹介します。

『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』の主人公ブリット=マリーは、これまで完璧に家事をこなしてきた主婦として暮らしていましたが、夫の浮気を知って家を出ます。そこから、ようやく見つけた仕事は、田舎町での少年サッカーのコーチ。サッカー経験もない年配女性の登場に周囲は戸惑いますが、彼女はめげません。ぎこちなくも懸命に努力を続け、少しずつ町の人々に溶け込んでいくのです。

しかし、高い壁が立ちはだかり、自分じゃ無理だ……と諦めかけたとき、気持をぶつけにきたチームの少女に感銘を受けて吐露したのが、「割れたガラスの破片をただ片付けたくて、人生を片付けてしまった」という言葉です。ブリット=マリーは、幼少期の辛い経験が心のブレーキになって、夢や希望の追求を避けてきたことを自覚しました。部屋を完璧に整頓するように、自分の心も整理しすぎていたと…。
例え失敗したとしても、行動しないことには道は拓けません。未来を見据える子どもと心を通わせることで、60代にして彼女は希望を持ち信じることの大切さを知りました。

ふっきれた彼女がクライマックスで叫ぶ「立ちなさい! 絶対にできる!」という激励とともに、この言葉は挑戦する気持ちを忘れていた人たちの心を打つでしょう。私の心に深く響いたように。

PINTSCOPEでは、TOPページで「映画の言葉」を定期的に更新中!

今日の一本を探しませんか?
BACK NUMBER
INFORMATION
『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』
監督:ツヴァ・ノヴォトニー
主演:ペルニラ・アウグスト
原作:フレドリック・バックマン「ブリット=マリーはここにいた」(坂本あおい 訳/早川書房 刊)
後援:スウェーデン大使館
字幕翻訳:中沢志乃
字幕監修:オスターグレン晴子
配給:松竹
公開日:2020年7月17日(金)
©AB Svensk Filmindustri, All rights reserved
63歳・笑わない主婦。ある日スーツケースひとつで自分の人生を探す旅に出る。
スウェーデンに住むブリット=マリーは63歳の専業主婦。結婚して40年、家事を完璧にこなすだけの毎日で、いつしか笑顔を忘れていた。ある日、夫に愛人がいることがわかり、一大決心をして家を飛び出すことに。やっとのことで見つけた仕事は、小さな町の荒れ果てたユースセンターの管理人だった。しかもいつのまにか子供たちの弱小サッカーチームのコーチまで任されることに。初めて尽くしの彼女は、やんちゃ盛りなチーム員たちにはナメられっぱなし。だが個性豊かな住民たちに助けられ、不器用ながらも少しずつ笑顔を取り戻していく。 そんなある日、突然夫が迎えに来て―。
PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
RANKING
  1. 01
    映画を観た日のアレコレ No.81
    怒髪天
    増子直純の映画日記
    2023年3月5日
  2. 02
    松永大司監督×ミヤタ廉(LGBTQ+inclusive director)×Seigo(intimacy choreographer) インタビュー
    “前例のない” 映画づくりで、
    誰にとっても「心の置き場がある」作品を志す
    Sponsored by映画『エゴイスト』
  3. 03
    映画の言葉『THE FIRST SLAM DUNK』宮城リョータのセリフより
    「キツくても…心臓バクバクでも…
    めいっぱい平気なフリをする」
  4. 俳優 髙石あかりの映画日記 2023年3月13日 04
    映画を観た日のアレコレ No.80
    俳優
    髙石あかりの映画日記
    2023年3月13日
  5. 映画『はざまに生きる、春』一般試写会 05
    特別試写会プレゼント!
    映画『はざまに生きる、春』一般試写会
  6. スカーレットはいじわるキャラ?女性が自分で人生を決め、自分の力で生き抜くということ『風と共に去りぬ』 06
    嗚呼、こんなにも魅惑的な登場人物たち! 第16回
    スカーレットはいじわるキャラ?女性が自分で人生を決め、自分の力で生き抜くということ『風と共に去りぬ』
  7. 2023年2月 手術日が決定。『水いらずの星』目下制作中。 07
    河野知美「揺れる泪、闘う乳房 〜Pはつらいよ映画日記〜」vol.4
    2023年2月
    手術日が決定。『水いらずの星』目下制作中。
    Sponsored by映画『水いらずの星』
  8. 「みんなで食べても美味しくないものもあるし 一人で食べても美味しいもんは美味しいよ」 08
    映画の言葉『ちひろさん』ちひろのセリフより
    「みんなで食べても美味しくないものもあるし
    一人で食べても美味しいもんは美味しいよ」
  9. 映画を一本つくり、 上映できるのは奇跡的なこと 09
    東出昌大×松本優作×岸建太朗 インタビュー
    映画を一本つくり、
    上映できるのは奇跡的なこと
  10. イギリス在住マーケターの 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観た1日 10
    働くみんなの「映画ライフ」をのぞき見! Case01
    イギリス在住マーケターの
    『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を観た1日
    Sponsored byExpressVPN
シェアする