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映画の言葉『かがみの孤城』喜多嶋先生のセリフより

「だってこころちゃんは毎日、闘ってるでしょう?」

映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

だってこころちゃんは毎日、
闘ってるでしょう?

By 喜多嶋先生

『かがみの孤城』より

文部科学省が今年10月に発表したデータによると、全国にいる不登校児童の数は244,940 人(小中学校合計/うち中学校163,442 人)。(1)『かがみの孤城』の主人公である中学1年生のこころ(當真あみ)も、そんな学校に行けない児童のうちのひとりです。

ある日、家に閉じこもっていたこころの部屋の鏡が突然光を放ち始めます。吸い込まれるように鏡の中に入っていった先は、絵本に出てくるようなお城でした。そこにいたのは、狼のお面をつけた少女と6人の見知らぬ中学生たち。お面をつけた少女「オオカミさま」(芦田愛菜)は、「城のどこかに願いの部屋があり、そこではどんな願いでも叶うが、部屋に入れるのはひとりだけ」とこころたちに告げるのですが……。

学校に行けず部屋に閉じこもり、親身に耳を傾けてくれるフリースクールの喜多嶋先生(宮﨑あおい)にも連れない態度を取っていたこころ。しかし、鏡の中の城で他の子どもたちと交流し、もうひとつの居場所を見つけたことによって少しずつ変わっていきます。

「だってこころちゃんは毎日、闘ってるでしょう?」

これは、学校に行けない理由を言うこともできないこころに、喜多嶋先生がかけた言葉です。弱い怠け者だと思われていると不安でいっぱいのこころに対して、毎日闘っていると断言してくれた喜多嶋先生。まず相手を理解し肯定するシンプルな喜多嶋先生の言葉は、こころだけではなく、全国にいる何十万もの不登校の子どもたちに語りかけているように響きます。

鏡の城にオオカミ少女、という謎に満ちた設定でスタートする本作は、多くの伏線が張り巡らされた宝箱のようなファンタジーミステリー作品であり、素晴らしい青春物語です。だから、あまり言葉を費やして、物語に詰め込まれた驚きをウッカリ明かしてしまうなんていう野暮な真似はできません。ぜひこころと一緒に鏡の中に入って、この驚くべき物語とこころが進む軌跡をその目で見届けてください!

(1)文部科学省初等中等教育局児童生徒課. “令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について”. 文部科学省. 2022.
https://www.mext.go.jp/content/20221021-mxt_jidou02-100002753_1.pdf , (参照 2022-12-14)

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『かがみの孤城』辻村 深月 (ポプラ社)

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INFORMATION
映画『かがみの孤城』
声の出演:
當真あみ 北村匠海
吉柳咲良 板垣李光人 横溝菜帆 ・ 高山みなみ 梶裕貴
矢島晶子 ・ 美山加恋 池端杏慈 吉村文香 / 麻生久美子
芦田愛菜 / 宮﨑あおい 

原作:辻村深月「かがみの孤城」(ポプラ社刊)
監督:原恵一
主題歌:優里「メリーゴーランド」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
脚本:丸尾みほ
キャラクターデザイン/総作画監督:佐々木啓悟
ビジュアルコンセプト/孤城デザイン:イリヤ・クブシノブ
音楽:富貴晴美
企画・製作幹事:松竹 日本テレビ放送網
制作:A-1 Pictures
2022年12月23日(金)全国公開
©2022 「かがみの孤城」製作委員会
学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっていた中学生・こころ。
ある日突然部屋の鏡が光り出し、吸い込まれるように中に入ると、そこには不思議なお城と見ず知らずの中学生6人が。さらに「オオカミさま」と呼ばれる狼のお面をかぶった女の子が現れ、「城に隠された鍵を見つければ、どんな願いでも叶えてやろう」と告げる。期限は約1年間。
戸惑いつつも鍵を探しながら共に過ごすうち、7人には一つの共通点があることがわかる。互いの抱える事情が少しずつ明らかになり、次第に心を通わせていくこころたち。そしてお城が7人にとって特別な居場所に変わり始めたころ、ある出来事が彼らを襲う―
果たして鍵は見つかるのか? なぜこの7人が集められたのか? それぞれが胸に秘めた〈人に言えない願い〉とは?
すべての謎が明らかになるとき、想像を超える奇跡が待ち受ける―
PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
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