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映画の言葉『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』鹿野靖明のセリフより

「思い切って、人の助けを借りる勇気も、必要なんだよね」

©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

思い切って、
人の助けを借りる勇気も、
必要なんだよね

By 鹿野靖明

『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』より

人の助けを借りることに、どこか後ろめたさが付きまとうのはなぜでしょう。
助けを求めることへ、「相手に迷惑がかかるのではないか…」と負い目を感じてしまうことに原因のひとつがあるのではないでしょうか。

『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』の主人公・鹿野靖明(大泉洋)は、幼い頃から難病の筋ジストロフィーを患い、たくさんの「ボラ(ボランティアの略称)」に囲まれ自立生活を送っています。夜中に突然「バナナ食べたい!」とボラを呼び出して買い出しをお願いするほど、人に頼みごとをするのに躊躇のない鹿野。その姿に、初めてボラになった人は鹿野がただ単に図々しく見えて疑問を抱いてしまいます。そんな鹿野が「障害者の自立生活を考える」というシンポジウムで、客席に投げかけたこの言葉に「人の助けを借りる」ということの大切なヒントが隠されていました。

「思い切って、人の助けを借りる勇気も、必要なんだよね」

鹿野は、自分が毎日人の助けを借りなければ生きていけないことに負い目を感じていません。それは、鹿野にとって、「周りに負担をかけて申し訳ないと思わない」ことが、健常者であるボラと「対等に接する」という意思表示になっていると考えているからです。実際に、ボラもわがままな鹿野に振り回されながらも「鹿野をケアする」という役割を持って鹿野と接することで、人間として対等な関係が育まれているということに、気づかされます。

誰でもそれぞれ苦手なことや弱い面があり、それを補完しあいながら生きていくのが人間です。相手に助けを求めることは少しの勇気が必要ですが、思い切って助けを借りてみることで、相手にとってもよりよい人間関係が築けるかもしれませんよ。

PINTSCOPEでは、TOPページで「映画の言葉」を定期的に更新中!

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FEATURED FILM
こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話[DVD]
監督:前田 哲
脚本:橋本裕志
音楽:富貴晴美
原作:渡辺一史「こんな夜更けにバナナかよ 筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち」(文春文庫刊)
出演:大泉 洋
高畑充希 三浦春馬
萩原聖人 渡辺真起子 宇野祥平 韓英恵
竜 雷太 綾戸智恵 / 佐藤浩市 / 原田美枝子
©2018「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」製作委員会
札幌で暮らす鹿野靖明(大泉洋)は幼少から難病を患い、体で動かせるのは首と手だけ。介助なしでは生きられないのに病院を飛び出し、ボランティアたちと自立生活を送っていた。夜中に突然「バナナ食べたい」と言い出すワガママな彼に、医大生ボラの田中(三浦春馬)は振り回される日々。しかも恋人の美咲(高畑充希)に一目ぼれした鹿野から、代わりに愛の告白まで頼まれる始末! 最初は面食らう美咲だが、鹿野やボラたちと共に時間を過ごす内に、自分に素直になること、夢を追うことの大切さを知っていく。そんなある日、鹿野が突然倒れ、命の危機を迎えてしまう・・・。
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