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映画の言葉

「僕、生きてますよ、今」

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©2015「トイレのピエタ」製作委員会
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

僕、生きてますよ、今

By 園田宏

『トイレのピエタ』より

あなたが“生きている”と実感する時は、どんな時ですか?

なんとなく続く毎日。生きているのか死んでいるのかもよくわからないぐらいに、満たされずに過ごしている。そんな風に、自分の人生を不安に思う人もいるのではないでしょうか。むしろ、「生きている実感」なんてそう容易たやすく得られるものではありません。

『トイレのピエタ』の主人公・園田宏(野田洋次郎)もその一人。画家になる夢を諦め、ビルの窓拭きのアルバイトをして日々過ごしていた宏は、学生時代の恋人に再会。彼女に「才能がある」と言われながらも、そこへ向き合うことができずに日々を過ごしていました。ある日、突然意識を失った宏は、運ばれた先の病院で余命数ヶ月の末期がんであることを宣告されます。

主人公・園田宏役を演じたのは、人気ロックバンド RADWIMPSの野田洋次郎さん。デビュー以来、音楽活動に専念してきた野田さんが、脚本を一読し今作に出演を決めた理由は、「宏があまりにも他人とは思えなかったから」だと言います。

苦しい抗がん剤治療や先の見えない闘病生活にやけくそになりながらも、自ら死ぬことはできず、そんな自分と向き合えずにいる宏。しかし、同じく癌を患っている同室の患者・横田(リリー・フランキー)や小児病棟の拓人(澤田陸)、そして自分のどうしようもない現実と向き合う女子高生の真衣(杉咲花)と出会い、交流することで、だんだんと変化していくのでした。

自分と、そして周りにいる人の生と死を、目をそらさず見つめることで宏は、ある時、あるひとつの絵を描き出します。そして、その姿を見守ってもらっていた横田にこう言うのです。

「僕、生きてますよ、今」

自分の人生の実感をつかめず、だからといって、もがくこともできず、容易く得られる刺激に身をゆだねてしまいそうになったときは、この言葉を思い出してみてください。自分の人生と向き合えるのは、その人生を生きる「自分」なのです。

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FEATURED FILM
トイレのピエタ (DVD)
原案:手塚治虫
監督/脚本:松永大司
原作:松永大司「トイレのピエタ」(文藝春秋刊)
音楽:茂野雅道
主題歌:RADWIMPS「ピクニック」(ユニバーサル ミュージック)
キャスト:野田洋次郎/杉咲花/リリー・フランキー/市川紗椰/古舘寛治/MEGUMI/岩松了/大竹しのぶ(友情出演)/宮沢りえ

2015年10月14日リリース
発売・販売元:松竹株式会社
©2015「トイレのピエタ」製作委員会
「今一緒に死んじゃおっか?」余命3ヵ月と告げられた宏(野田洋次郎)は、出会ったばかりの女子高生・真衣(杉咲花)から、そう誘われる。バイクの後ろに彼女を乗せてスピードを上げるが、そのまま死ぬことはできなかった。画家への夢を諦めてフリーター生活を送っていた宏にとって、ただやり過ごすだけだったこの夏。それが人生最期の夏に変わってしまった時、立ちはだかるように現れた真衣。「あのさ、背の低い子とキスする時はどうするの?」純粋な真衣に翻弄されながらも、二人は互いの素性も知らないまま、反発しながらも惹かれ合っていく。
PROFILE
フリーライター・インタビュアー
藤田真奈
Mana Fujita
フリーランスのライター・インタビュアー。大学卒業後、勢いでフリーランスとして独立。ウェブメディアを中心に、インタビューやイベントレポート、小説連載など様々な媒体で執筆、脚本を行っている。小説をエンタメだけでなく情報を伝える手段にするべく、日々奮闘中。
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