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映画の言葉『映画 太陽の子』石村裕之のセリフより

「いっぱい未来の話、しよう」

『映画 太陽の子』
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

いっぱい未来の話、しよう

By 石村裕之

『映画 太陽の子』より

「人は何のために生きているの?」という永遠の問いに対して、私は「より良い世界を目指すため」という自分なりの答えを持っています。ひとりひとり価値観は違うけれど、それぞれが考える「より良い未来」を誰もが思い描ける世界であってほしいと願うからです。

『映画 太陽の子』は、日本で原爆開発に携わった若者を描いた作品です。未だ人類が出会ったことがない核分裂エネルギーは間違いなく世界を変えるけれど、想像を絶する殺傷能力を持つ兵器にもなる……情熱と恐怖との間で葛藤する若き科学者・修(柳楽優弥)は、建物疎開で家を失った幼馴染の世津(有村架純)、戦地から一時帰宅した弟・裕之(三浦春馬)と共に1945年の夏のひとときを過ごします。

敵国との開発競争に追い立てられ研究にのめりこむ修、戦地での出来事を決して語らない裕之、ひとり戦争が終わった後のことに思いを馳せる世津。研究を成功させて戦争を終わらせるんだと意気込む修と戦地に戻る決心をした裕之は、世津が戦後の生活のことまで考えていることを知り、ハッとします。

「いっぱい未来の話、しよう」

無事に戻ってきてと願う世津に、溢れんばかりの笑顔でこう答えた裕之を見て、私は息ができなくなりました。私たちが生きているのは、時代に翻弄された若者たちの、いや、地球上に存在した全人類にとっての未来なのだと思い知ったからです。

すべての若者が明るい気持ちで未来を思い描ける世界であってほしい。世界を変えようと夢見る科学者が絶望することがない世界であってほしい。私はそう願ってやみません。今を生きている私たちも、いっぱい未来の話、しましょう。この世界をより良いものにできると信じて。

映画 太陽の子
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ

↓『映画 太陽の子』関連本を読む

太陽の子 GIFT OF FIRE (集英社文庫)

BACK NUMBER
FEATURED FILM
出演:柳楽優弥 有村架純 三浦春馬  田中裕子 國村隼 イッセー尾形 山本晋也 ピーター・ストーメア
監督・脚本:黒崎博 「ひよっこ」「青天を衝け」
音楽:ニコ・ミューリー 『愛を読むひと』
主題歌:「彼方で」 福山雅治  (アミューズ/ユニバーサルJ)
配給:イオンエンターテイメント
8月6日(金)、全国公開
©2021 ELEVEN ARTS STUDIOS / 「太陽の子」フィルムパートナーズ
静かな涙が、あふれる夏になる― 悩んで、泣いて、笑った3人の300日!
1945年の夏。軍の密命を受けた京都帝国大学・物理学研究室の若き科学者・石村修(柳楽優弥)と研究員たちは原子核爆弾の研究開発を進めていた。研究に没頭する日々の中、建物疎開で家を失なった幼馴染の朝倉世津(有村架純)が修の家に居候することに。時を同じくして、修の弟・裕之(三浦春馬)が戦地から一時帰郷し、久しぶりの再会を喜ぶ3人。ひとときの幸せな時間の中で、戦地で裕之が負った深い心の傷を垣間見る修と世津だが、一方で物理学に魅了されていた修も、その裏側にある破壊の恐ろしさに葛藤を抱えていた。そんな二人を力強く包み込む世津はただ一人、戦争が終わった後の世界を見据えていた。それぞれの想いを受け止め、自分たちの未来のためと開発を急ぐ修と研究チームだが、運命の8月6日が訪れてしまう。日本中が絶望に打ちひしがれる中、それでも前を向く修が見出した新たな光とは―?
PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
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