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映画の言葉『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』ジョアンナのセリフより

「平凡はイヤ “特別”になりたかった」

9232-2437 Québec Inc – Parallel Films (Salinger) Dac © 2020 All rights reserved.
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

平凡はイヤ
“特別”になりたかった

By ジョアンナ

『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』より

触れた途端、熱が帯びてくるような、踊り出したくなるような、自分にとっての“特別”はありますか? どんな平凡な毎日だって人生だって、「平凡」と感じなくなるような。そんなあなたにとっての“特別”は、あなた自身をも特別にする鍵なのかもしれません。

作家を夢見るジョアンナ(マーガレット・クアリー)は、アメリカ、西海岸の大学で文学を研究する学生。次のセメスター()が始まるまでの休暇中、友人に会うため故郷のニューヨークを訪れます。数日滞在したら戻る予定でしたが、ある記憶をよみがえらせたことをきっかけに、この街で作家をめざすことを決意しました。それは、幼い頃「平凡はイヤ “特別”になりたかった」という気持ちを抱いたことだったのです。

作家という夢に近づくため、出版エージェントで働きだした彼女は、自分の“特別”を見つけている人たちと出会いました。多くの出会いの中で、最初から特別だった人なんていないことに気づきます。誰もが、“特別”に向かって行動し、それを積み重ねていたのです。このことに気づいた瞬間、彼女の世界は大きく動き出しました。

自分が特別かどうかなんてわからない。作家として成功するかどうかもわからない。でも、踏み出さずにはいられない。走り出さずにはいられない。その時、彼女は気づいたはずです。目の前に広がる景色が、色づき、輝き始めたことに。世界がキラキラと輝き始めたその瞬間こそ、自分自身が“特別”になったその時なのかもしれません。

※セメスター:学期。セメスター制(2学期制)を採用する学校では、通常、秋学期と春学期がある。

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INFORMATION
『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』
監督・脚本:フィリップ・ファラルドー(『グッド・ライ~いちばん優しい嘘~』)
原作:「サリンジャーと過ごした⽇々」(ジョアンナ・ラコフ 著/井上里 訳/柏書房)
出演:マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーバー、ダグラス・ブース、サーナ・カーズレイク、ブライアン・F・オバーン、コルム・フィオールほか
配給:ビターズ・エンド
原題: My Salinger Year
5月6日(金)新宿ピカデリー、Bunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
公式サイト: bitters.co.jp/mynydiary
Twitter: @my_ny_diary
Instagram: @my_ny_diar@
9232-2437 Québec Inc - Parallel Films (Salinger) Dac © 2020 All rights reserved.
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットのアシスタントとして働き始める。昼はニューヨークの中心地マンハッタンの豪華なオフィスに通い、夜はブルックリンにある流し台のないアパートで同じく作家志望の彼氏と暮らしている。
日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。小説の主人公に自分を重ねる10代の若者、戦争体験をサリンジャーに打ち明ける退役軍人、作家志望の娘を亡くした母親――心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。
PROFILE
フリーライター・インタビュアー
藤田真奈
Mana Fujita
フリーランスのライター・インタビュアー。大学卒業後、勢いでフリーランスとして独立。ウェブメディアを中心に、インタビューやイベントレポート、小説連載など様々な媒体で執筆、脚本を行っている。小説をエンタメだけでなく情報を伝える手段にするべく、日々奮闘中。
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