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映画の言葉『死ぬまでにしたい10のこと』のセリフより

「ノーマル?
そんな人いないわ」

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©2002 El Deseo D.A.S.L.U.& Milestone Productions Inc
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

ノーマル? そんな人いないわ

By アン

『死ぬまでにしたい10のこと』より

「普通は結婚している年齢でしょ?」「親を尊敬するのは普通のことだよ」「普通の社会人なら親友の一人くらいいるもの」日本の学校や職場ではよく耳にする「普通」という言葉です。しかし、そんな「普通」に違和感を覚えている方も多いのではないでしょうか。

23歳のアン(サラ・ポーリー)は、17歳という若さで出産し、現在は失業中の夫と小さな娘二人と、アンの母親(デボラ・ハリー)の裏庭にあるトレーラーハウスで暮らしています。父親はアンが幼い頃から刑務所にいて、10年以上会っていません。そして後にアンは、末期癌による余命2ヶ月の命を宣告されることになるのです。

そんな決して普通とは言えない境遇で生きているアンが、夜勤終わりの母親を車で迎えに行ったときのこと。アンはいつものように趣味で聴いている中国語のレッスン音声を流していました。

すると母親は、「ノーマルに音楽を聴けないの?」と、中国語を聴いているアンのことを非難しました。それを聞いたアンはうんざりした表情を顔に浮かべながら、ボリュームをオフにします。そしてこう言うのです。

「ノーマル? そんな人いないわ」

ノーマルとは、日本語で「普通の」と翻訳することができます。世間的に見ると普通ではないアンの今の生活も、アンにとっては普通に過ぎないのです。そしてそれはもちろん、アン以外にも当てはまります。自分にとっては自分がノーマル。それぞれ歩んできた人生も違うのだから、自分にとってのノーマルが、誰かにとってのノーマルである必要はないのです。

私自身を誰かのノーマルで縛る必要もなければ、誰かを私のノーマルに封じ込める必要もありません。ノーマルという呪縛から解放されることができれば、きっと、もっともっと自分らしくいることができて、そんな自分を好きになることができるのではないでしょうか。

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FEATURED FILM
死ぬまでにしたい10のこと
監督・脚本:イサベル・コイシェ(「あなたに言えなかったこと」「パリ・ジュテーム」)
エグゼクティブ・プロデューサー:ペドロ・アルモドバル(「オール・アバウト・マイ・マザー」「トーク・トゥ・ハー」)
アウグスティン・アルモドバル、オグデン・ガヴァンスキ
プロデューサー:エステル・ガルシア、ゴードン・マクレナン

キャスト:
アン:サラ・ポーリー 『めぐり逢う大地』『スウィート ヒアアフター』
リー:マーク・ラファロ 『ウインドトーカーズ』
ドン:スコット・スピードマン 『フェリシティの青春』
隣のアン:レオノール・ワトリング 『トーク・トゥ・ハー』
アンの母:デボラ・ハリー
©2002 El Deseo D.A.S.L.U.& Milestone Productions Inc
PROFILE
フリーライター・インタビュアー
藤田真奈
Mana Fujita
フリーランスのライター・インタビュアー。大学卒業後、勢いでフリーランスとして独立。ウェブメディアを中心に、インタビューやイベントレポート、小説連載など様々な媒体で執筆、脚本を行っている。小説をエンタメだけでなく情報を伝える手段にするべく、日々奮闘中。
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