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映画の言葉『アメリカン・ユートピア』デイヴィッド・バーンのセリフより

「人間を見ているのは
なぜ こうも面白いのでしょう」

アメリカン・ユートピア
©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
映画の中の何気ない台詞が、
あなたにとっての特別な“言葉”となり、
世界を広げ、人生をちょっと豊かにしてくれるかもしれない。
そんな、映画の中の言葉を紹介します。

人間を見ているのは
なぜ こうも面白いのでしょう

By デイヴィッド・バーン

『アメリカン・ユートピア』より

音楽とリズムに身体が揺れ、示唆に富む歌詞に魂が燃え、決して理想は捨てない!という高らかな宣言に胸が熱くなり…「自分たち人間を信じてみよう」と思わせてくれるショー。それがデイヴィッド・バーンの『アメリカン・ユートピア』です。多様な人種と国籍で構成された11人の出演者が立つのは何もない空間。彼らはグレーのスーツに裸足のまま、楽器以外は何も持たず、演奏・パフォーマンスしていきます。

ときにコミカルに、ときに前衛的に、ときにパワフルに、さまざまな振付と演出で奏でられていくメンバーたち。デイヴィッド・バーンのアルバム『アメリカン・ユートピア』やトーキング・ヘッズ(※)時代のものを中心とした21の楽曲。劇場全体に満ち溢れるエネルギーがスクリーンから漏れ出てきたのでしょうか? いつのまにか私も、一緒にリズムを刻みながら没頭していました。

デイヴィッド・バーンは曲と曲の合間に客席に向かってさまざまなことを問いかけます。脳細胞の劣化、楽曲の内容や自身の過去、投票への呼びかけ、人種差別……軽やかでありながらストレートに突き刺さる彼の意識の中心にあるのは「人間」です。

「人間を見ているのは なぜ こうも面白いのでしょう」

このショーは一番大切なもの=人間以外を排除したのだとバーンは言います。なぜなら、人間が最も見ているのは、人間だから。ときにシニカルに現代社会を描写しながらも、「人間を見ているのは面白い」と語るバーン。彼は人間を、人間が形作る社会を、人間が目指すべき未来を諦めていないのです。

あらゆる断絶を飛び越え、全人類が進むべき理想郷(ユートピア)へ! 奇跡のような音楽体験に込められた堂々たるメッセージは、きっとあなたの世界を変え、未来を明るく照らしてくれるに違いありません。

※トーキング・ヘッズ…デイヴィッド・バーンが、ボーカルとギターを務め、1970年代半ばに結成し、1991年に解散したロックバンド。2011年発表の「ローリング・ストーン誌の選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」で100位に選ばれた。

◎『AMERICAN UTOPIA』 David Byrne を聴く!

AMERICAN UTOPIA

BACK NUMBER
INFORMATION
『アメリカン・ユートピア』
監督:スパイク・リー
出演ミュージシャン:デイヴィッド・バーン、ジャクリーン・アセヴェド、グスタヴォ・ディ・ダルヴァ、ダニエル・フリードマン、クリス・ジャルモ、ティム・ケイパー、テンダイ・クンバ、カール・マンスフィールド、マウロ・レフォスコ、ステファン・サンフアン、アンジー・スワン、ボビー・ウーテン・3世
字幕監修:ピーター・バラカン
配給:パルコ
近日公開
©2020 PM AU FILM, LLC AND RIVER ROAD ENTERTAINMENT, LLC ALL RIGHTS RESERVED
グラミー賞受賞アーティスト デイヴィッド・バーン×オスカー監督 スパイク・リー
一生に一度の、至福の体験!
伝説のブロードウェイショーがいま幕をあける。
2020年世界的コロナ禍のため再演を熱望されながら幻となった伝説のブロードウェイショー。グレーの揃いのスーツに裸足、配線をなくした自由自在に動き回るマーチングバンドが圧倒的なダンスパフォーマンスを見せる。元トーキング・ヘッズのフロントマン、デイヴィッド・バーンと11人の仲間たちが、混迷と分断の時代の悩める現代人を”ユートピア”へと誘う。80年代の傑作『ストップ・メイキング・センス』から、更なる進化を続けるデイヴィッド・バーンが、何よりも人生を楽しむことの大切さを呼び掛ける。この喜びに満ちたステージを⻤才スパイク・リーが完全映画化。
PROFILE
映画・演劇ライター
八巻綾
Aya Yamaki
映画・演劇ライター。テレビ局にてミュージカル『フル・モンティ』や展覧会『ティム・バートン展』など、舞台・展覧会を中心としたイベントプロデューサーとして勤務した後、退職して関西に移住。八巻綾またはumisodachiの名前で映画・演劇レビューを中心にライター活動を開始。WEBサイト『めがね新聞』にてコラム【めがねと映画と舞台と】を連載中。
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