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映画を観た日のアレコレ No.58

ミュージシャン
柴田聡子の映画日記
2022年1月14日

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映画を観た日のアレコレ
なかなか思うように外に出かけられない今、どんな風に1日を過ごしていますか? 映画を観ていますか?
何を食べ、何を思い、どんな映画を観たのか。 誰かの“映画を観た一日”を覗いてみたら、どんな風景が見えるでしょう? 日常の中に溶け込む、映画のある風景を映し出す連載「映画を観た日のアレコレ」。
58回目は、ミュージシャン柴田聡子さんの映画日記です。
日記の持ち主
ミュージシャン
柴田聡子
Satoko Shibata
1986年札幌市生まれ。シンガー・ソングライター。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。
2016年に上梓した初の詩集『さばーく』でエルスール財団新人賞現代詩部門受賞。NHKEテレ『おかあさんといっしょ』やアーティスト・アイドルへの楽曲提供、映画『ほったまるびより』やドラマ『許さないという暴力について考えろ』への出演、ミュージックビデオの撮影 · 編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。
2020年、COVID-19によりツアー「柴田聡子のひとりぼっち’20」の延期が決まる中、いち早く自宅から独力でライブストリーミングを行い、予定されていた全公演を予定日時通りにフリー配信で楽しんでもらう「柴田聡子のインターネットひとりぼっち’20」を開催。困難の中でも常にユーザーフレンドリーな姿勢を貫く。バンド形態でのライブも「柴田聡子inFIRE」名義で自身のバンドと共に積極的に行っている。
2021年、デジタルシングル『雑感』『サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト』と、初のBlu-ray作品となる『柴田聡子のひとりぼっち’20 in 大手町三井ホール』を発売。
柴田聡子オフィシャルサイト: https://shibatasatoko.com

2022年1月14日

晴れ。今日はビートルズのドキュメンタリー『ザ・ビートルズ:Get Back』を観る。今日に決めた。8時間近くもあるけど一気に観たいので、丸一日観られる日を待っていて、「今日その日が来た!」という気持ちだったのでそうすることにした。いろんな人たちからこの映画の感想を聞いて、観たくて観たくて仕方がなかった。

掃除と洗濯をする。スーパーに行く。シャウエッセンより香薫(ウィンナー)の方が美味しいっていう人にこの間出会ったので、そっちを買ってみる。他には、焼き芋とバナナを買う。焼き芋は冬になると、どうしても買ってしまう。
帰って、適当に野菜を刻んで、さっきの香薫を入れて汁物を作る。唐突にコチュジャンを入れて辛くしたけど、ポトフチゲみたいな感じで、国がわからなくて、なんか変だった。シャウエッセンも香薫も旨い。焼くより茹でるのが美味しい。今日はお腹が空いたらこれを飲み、焼き芋をかじる。カルピスをほぼ原液で飲む。今日はGet Backだから、これくらいやっても構わん。

ディズニープラスに入会。うわー、いろんなのがある。これはまずい。テイラー・スウィフトのライブドキュメント(folklore:ロングポンド・スタジオ・セッション)もある。こっちの方が観たくなってきた。でも今日はGet Back。後で絶対観よう。

世界中どこを見渡しても、みんなの心にビートルズが居て、私の心にもビートルズが居る。本当にすごいな。いやー、いい曲ばっかりだ。Get Backの芽吹きの瞬間を探っているポールの鼻歌を聴いているリンゴとジョージ、どんなにいい曲を聴いていても、あくびが出ることってあるよね。ジョージの曲って、やっぱりすごく素敵だな。ヨーコのことを一番忘れているのはジョンに見える。
朝、大体ポールとリンゴが最初にやってきて、この二人でピアノを弾いてたりすると、言葉では表せないような安堵を感じる。みんなでかんかんがくがく曲を揉む。こんな風に曲を作ることに憧れる。私の曲作りは「鶴の恩返し」スタイル。出来上がるまで絶対覗かないでくださいねとばかりに、一人で部屋で作ることが多い。こんな風に、このメロディーは? この歌詞は? このコードは? とやってみたい。バンドは素晴らしいな。ビリー・プレストンの楽しそうな笑顔見てるだけで幸せ。Let It BeとThe Long And Winding RoadとDon’t Let Me Downはこれでもかとリハが繰り返される。

途中昼寝をする。流しながら寝てしまったけれど、その間もLet It BeとThe Long And Winding RoadとDon’t Let Me Downが繰り返されているのが聴こえた。

起きて、汁物を飲む。おかしな1日である。眠ってた箇所を巻き戻して観る。紆余曲折の連続。みんな唐突にふざけたりするけど、ずっと真面目にThe Long And Winding Roadを歩いている。実感が伝わる。全員でぎゅう詰めになってプレイバックしているところ、胸が熱くなる。雰囲気がいいからこのままミックスにいってもいいかも、という時、ピアノとエレピ(※)はおんなじことしてるからちょっと待ったという話になるところ、一生忘れないでおきたい。ヨーコが、リンゴからもらった一本のガムをちぎって半分をジョンに渡そうとするが、ジョン、なかなか気付かず。
ルーフトップコンサート、ジョージのズボンの色が眩しい。ジョン、叩くみたいにギターを弾く時がある。

夜遅くにやっと観終わる。結局、テイラーのドキュメントも少し観る。テイラーはいつも音楽にわくわくしていて、そこが心底好き。自宅待機をせざるを得なくなった時、3日間だけ落ち込んだと言っていた。寝室にかわいいボーカルブースを作っている映像に涙が出た。こういう壁に向かって歌っていたのか。beyerdynamicのヘッドホン、欲しい。

観ていたら午前2時を回りそうになったので、いけねいけねと、画面を閉じる。いつも母から送られてくる実家の犬の写真、今日はお休みだった。汁物と焼き芋は全部食べた。風呂に入って寝た。

※エレクトリックピアノの事。

柴田聡子の映画日記
BACK NUMBER
INFORMATION
『ザ・ビートルズ:Get Back』
監督:ピーター・ジャクソン
出演:ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スター
ディズニープラスにて全3話見放題で独占配信中
『ザ・ビートルズ:Get Back』公式サイト: Disney.jp/TheBeatles
©2021 Disney ©2020 Apple Corps Ltd.
『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』
2月9日(水)~2月13日(日) IMAX®限定公開
『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』公式サイト: https://www.disney.co.jp/movie/thebeatles.html
©2021 Disney ©2020 Apple Corps Ltd.
ザ・ビートルズの伝説のラスト・ライブ・パフォーマンス“ルーフトップ・コンサート”が、5日間限定でIMAX®の巨大スクリーン&高音質サウンドで甦る。1969年1月30日、“Get Back(復活)”を掲げて集まった4人が、名盤「レット・イット・ビー」に収録される名曲の数々を、ロンドンにあるビルの屋上にてサプライズで披露した。この奇跡のライブが、巨匠ピーター・ジャクソン監督によって、時空を超えた<体験型ライブ・ビューイ ング・ショー>として幕を開ける。
PROFILE
ミュージシャン
柴田聡子
Satoko Shibata
1986年札幌市生まれ。シンガー・ソングライター。恩師の助言により2010年より音楽活動を開始。『がんばれ!メロディー』まで、5枚のオリジナルアルバムをリリースしている。
2016年に上梓した初の詩集『さばーく』でエルスール財団新人賞現代詩部門受賞。NHKEテレ『おかあさんといっしょ』やアーティスト・アイドルへの楽曲提供、映画『ほったまるびより』やドラマ『許さないという暴力について考えろ』への出演、ミュージックビデオの撮影 · 編集を含めた完全単独制作など、その表現は形態を選ばない。
2020年、COVID-19によりツアー「柴田聡子のひとりぼっち’20」の延期が決まる中、いち早く自宅から独力でライブストリーミングを行い、予定されていた全公演を予定日時通りにフリー配信で楽しんでもらう「柴田聡子のインターネットひとりぼっち’20」を開催。困難の中でも常にユーザーフレンドリーな姿勢を貫く。バンド形態でのライブも「柴田聡子inFIRE」名義で自身のバンドと共に積極的に行っている。
2021年、デジタルシングル『雑感』『サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト』と、初のBlu-ray作品となる『柴田聡子のひとりぼっち’20 in 大手町三井ホール』を発売。
柴田聡子オフィシャルサイト: https://shibatasatoko.com
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