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映画を観た日のアレコレ No.28

ドラァグクイーン
ドリアン・ロロブリジーダの映画日記
2020年11月25日

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なかなか思うように外に出かけられない今、どんな風に1日を過ごしていますか? 映画を観ていますか?
何を食べ、何を思い、どんな映画を観たのか。
誰かの“映画を観た一日”を覗いてみたら、どんな風景が見えるでしょう?
日常の中に溶け込む、映画のある風景を映し出す連載「映画を観た日のアレコレ」。
28回目は、ドラァグクイーン ドリアン・ロロブリジーダさんの映画日記です。
日記の持ち主
ドラァグクイーン
ドリアン・ロロブリジーダ
Durian Lollobrigida
180cmのスレンダーなボディに20cmのハイヒールと巨大なヘッドドレスを装着し、ひたすらに空を目指すその姿はさながらバベルの民か。

長い手足とよく回る舌、豊かな声量を活かして、各種イベントやMC、モデル業もこなすマルチなクイーン。新宿二丁目発本格DIVAユニット「八方不美人」や、好きな歌を好きな場所で“ただただ歌う”ユニット「ふたりのビッグショー」メンバーとしても活動するなど、その活躍はとどまることを知らず。

今夜もちょっぴり高いところから、耳障りな笑い声をお届けします。
Instagram: masaki_durian

2020年11月25日

日曜日の午後。
アタシはベッドの中で目を覚ます。
昨日の酒が残っているせいか、喉はカラカラに渇いていて、頭も重い。

今日は新宿二丁目のバー「談話室ドリアン」を開ける日だ。
様々な年齢/セクシャリティ/ジェンダーのお客様がいらっしゃるこの店は、
友人の店を間借りして週に2回だけオープンしている、アタシがママを務める店。
日曜日はばっちりメイクをしてご接客をする日なので、早めに出かけなければいけない。

しかし二日酔いのダメージは年々キツくなり、回復するまで時間がかかるようになってきた。
若いときは二日酔いなんてほとんどならず、一晩寝れば元気になったのに。
これが歳を重ねるってことなのかしら。

えいや!と無理やりに体を起こし、浴室に向かう。

熱めのシャワーを浴びて自室に戻っても、やはり体は重いままだ。
気分もあまり乗らない。

こんな時、必ずかける映画がある。
ロブ・マーシャル監督の『シカゴ』。アタシが飛びきり大好きな映画。

オープニングナンバー「All That Jazz」をエネルギッシュに歌い踊るヴェルマ・ケリー(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)の姿に、外出の支度をしているアタシの手は止まる。
どうしたって止まってしまう。

劇中でロキシー(レニー・ゼルウィガー)がそうしたように、アタシも頭の中で自らを主役に置き換えてしまう。ヴェルマみたいに踊れないし歌えないけど、このオープニングを観るといつも形容し難い高揚感が生まれ、ステップの一つでも踏みたくなる。

素晴らしいミュージカルシーンを織り込みながらストーリーは佳境を迎え、「Nowadays/Hot Honey Rag」という華やかなエンディングで幕を閉じる。
堪らず声が出る。「ブラボー!」

なんだか元気になってきた気がする。
今日も極上に綺麗になれる気がする。

ふと時計を見る。
あらいけない、今日も遅刻だわ。

BACK NUMBER
FEATURED FILM
監督 : ロブ・マーシャル
出演 : レニー・ゼルウィガー, キャサリン・ゼタ=ジョーンズ, リチャード・ギア, クイーン・ラティファ, ジョン・C・ライリー
スターを夢見るロキシー・ハートは、自分を騙していた愛人を射殺し監獄送りとなるが、そこで偶然にも憧れのスター、ヴェルマと出会う。ヴェルマも自分の眼を盗み不倫していた夫と妹を射殺した容疑で投獄されていたのだ。ロキシーは悪徳弁護士ビリー・フリンの入れ知恵で、マスコミを巧みに利用し獄中でヴェルマを凌ぐ人気を手に入れた。しかし、ヴェルマが黙ってそれを見過ごすわけもなく、二人の女と一人の男の名声を賭けた争いは、マスコミや法廷をも巻き込んでさらに激しくエスカレートしていく。
PROFILE
ドラァグクイーン
ドリアン・ロロブリジーダ
Durian Lollobrigida
180cmのスレンダーなボディに20cmのハイヒールと巨大なヘッドドレスを装着し、ひたすらに空を目指すその姿はさながらバベルの民か。

長い手足とよく回る舌、豊かな声量を活かして、各種イベントやMC、モデル業もこなすマルチなクイーン。新宿二丁目発本格DIVAユニット「八方不美人」や、好きな歌を好きな場所で“ただただ歌う”ユニット「ふたりのビッグショー」メンバーとしても活動するなど、その活躍はとどまることを知らず。

今夜もちょっぴり高いところから、耳障りな笑い声をお届けします。
Instagram: masaki_durian
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