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映画を観た日のアレコレ No.15

naohigaの映画日記
2020年8月16日

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なかなか思うように外に出かけられない今、どんな風に1日を過ごしていますか? 映画を観ていますか?
何を食べ、何を思い、どんな映画を観たのか。
誰かの“映画を観た一日”を覗いてみたら、どんな風景が見えるでしょう?
日常の中に溶け込む、映画のある風景を映し出す連載「映画を観た日のアレコレ」。
15回目は、イラストレーター naohigaさんの映画日記です。
日記の持ち主
イラストレーター
naohiga
1983年生まれ 山形県出身。日本女子大学住居学科卒業後、グラフィックデザイナーとして6年間働く。2014年イラストレーターとして独立。雑誌や書籍、ブランド、企業媒体などを中心に活動。南町田グランベリーパークOPEN時の一連の媒体のイラストを担当。他、主な仕事に、雑誌では『ケトル』『Ginza』『Hanako』『OCEANS』 、CMでは『洋服の青山』など。

2020年8月16日

日曜日の7時、うっすら目が覚める。眩しい…。今の部屋を決めた理由は3つ。1つめは、ちょっと古めでピカピカ過ぎないから。2つめはクローゼットの感じが良かった。3つめは日当りの良さ。白い軽いカーテンが、特に夏はよく似合っている。それにしても明るいなあ。アイマスクを着けてすぐに二度寝を。

9時半、二度寝から覚める。アイマスクがきつい…。起きるか…。Twitterで「ミッシェル」がトレンド入りしている。THEE MICHELLE GUN ELEPHANT? いやいや、まさか。知ってるんだから。どうせ私の知らないアニメのキャラかYouTuberとかでしょ。いつものことだけど、Twitterの#で知ってる名称なんて半分くらいだ。そんな気持ちで見てみたら、これが意外と本当に“TMGE”。 そうか、RISING SUN ROCK FESの何かを配信しているのか。99年前後の日本のロックシーンは好きだった。今もしつこく聴いている。フジロックなるものが始まったと知ったとき、私は山形で高校生だった。私の部屋からは金峯山が見えた。夕方の景色も好きだった。進学校に行っていたけど、途中から付いていけなくなっていたから現実逃避することが多かったなあ。放課後の美術部と、友達とのおしゃべりが私の楽しいことの全てだった。あのときなぜか漠然と「素敵な大人になれる筈」と信じていたのはなんでなんだろう。高校生の3年間ニキビだらけだったので(これは本当に治らなくて悲しかった)、嫌な現実よりも未来に期待を掛けてなんとかやり過ごそうとしていたのかもしれない。普通にちゃんとした会社員か何かになるとやっぱり漠然と思っていた。イラストレーターなんて、なんという地に足のついてない感じ。だいたいそれ職業? ところが人生は不思議だ。運が良かったのも手伝って、意外とそれを職業にして早6年間暮らしている。

そうだ、今日を“映画観る日”にしてみよう。パンを焼きながらそんなことを考えていると、もう出発の時間。というか遅刻の予感。暑いしもういいや、タクシーにお世話になっちゃおう。

美容院を出た。間違って逆方向の銀座線に乗って表参道で気付いた。引き返して帰宅。涼しい部屋で料理でもしよう。宅配野菜がたまっている。珍しい野菜を週1で配達してもらえるサービスを利用している。4月から5月のSTAY HOMEの時期に思いついて始めて、とても気に入っている。でもまたビーツと高山きゅうりが在庫に…。レシピに載ってるのを素直にほぼそのまま作る。ビーツのカレーときゅうりの浅漬け。美味しい!! びっくりするくらいカレー赤いんだけど。Yoroccoのビール「Peninsula Saison」のつまみにする。そういえば鮭とばとかもあったぞ。食べながら飲みながらそういえば思い出す。コロナ自粛太りが全然解消できないから、今日からまた夜にウォーキング再開しようとしてたんだったっけ。

ちょっと眠ってしまった。20時。その後ウォーキング1時間、汗だくだ。シャワーを浴びて、22時、やっと映画を観始めた。『男はつらいよ』第17作『寅次郎夕焼け小焼け』。いま最も好きな作品のひとつである。寅さんと偉い画家の青観との気取らない付き合いもいいし、芸者のぼたんが元気で健気なのもいい。のっぴきならない事情からぼたんに金の工面の必要が出てきて、画家の苦労を知らない寅さんは「1枚ちょろちょろっと描いてくれよ」と青観に頼むが、青観は「悪いが僕の絵はそういう性質の絵ではないんだ」と断る。私もイラストレーターの端くれ、どっちの気持ちもわかるのでことさら気持ちが入ってしまう。

一昨年から始めたことがある。「寅旅」と銘打った、寅さん映画聖地巡礼の旅だ。第1作目から順に巡っていく。柴又から始まって、奈良、京都、拓殖、奈良井宿、湯の山温泉、鹿児島。時間を見つけては方々へ旅に出ていたのだが、忙しい日々が続きストップしたままになっていた。それに加えてコロナ時代到来でますます出にくい。こういう世界になってみると、「もっと寅旅に出ておけばよかったなあ…」と思った。青観先生の昔の恋人がいいことを言っている。「人生に後悔はつきものなんじゃないかしらって。『ああすりゃよかったなぁ』という後悔と、もうひとつは『どうしてあんなことしてしまったんだろう』という後悔」。そう思うと、くよくよするのもほどほどにして、私も寅旅 NEW STANDARDバージョンを考えたい。次の目的地は、第4作『新・男はつらいよ』最後のシーン、大分県 国鉄久大本線だ。いつどうやって行けるかはまだわからないけど。

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PROFILE
イラストレーター
naohiga
1983年生まれ 山形県出身。日本女子大学住居学科卒業後、グラフィックデザイナーとして6年間働く。2014年イラストレーターとして独立。雑誌や書籍、ブランド、企業媒体などを中心に活動。南町田グランベリーパークOPEN時の一連の媒体のイラストを担当。他、主な仕事に、雑誌では『ケトル』『Ginza』『Hanako』『OCEANS』 、CMでは『洋服の青山』など。
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