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映画を観た日のアレコレ No.65

ダンサー・振付師
Seishiroの映画日記
2022年4月26日

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映画を観た日のアレコレ
なかなか思うように外に出かけられなかった時を経て、今どんな風に1日を過ごしていますか? 映画を観ていますか?
何を食べ、何を思い、どんな映画を観たのか。 誰かの“映画を観た一日”を覗いてみたら、どんな風景が見えるでしょう? 日常の中に溶け込む、映画のある風景を映し出す連載「映画を観た日のアレコレ」。
65回目は、ダンサー・振付師 Seishiroさんの映画日記です。
日記の持ち主
ダンサー・振付師
Seishiro
Seishiro
2015年、日本最大級の振付作品のコンテストでは25歳という歴代最年少で優勝および過去最多の5つの章を受賞。一秒一秒にかけるこだわり、音との巧妙さ、またその構成力に定評があり、人間の裏の一面を垣間見るような独特の世界観は国内外で高い評価を受けている。

振付を担当した乃木坂46「インフルエンサー」「シンクロニシティ」は日本レコード大賞を2年連続受賞。
その他の活動も多岐に渡り、BVLGARIが主催するAVRORA AWARDSのステージング、SKⅡのグローバルキャンペーン広告等に参画。
またアーティストからの信頼も厚く、浅田真央や平手友梨奈など数多くのアーティストとコラボレーションを発表している。

ダンサーとしても振付家としてもその人気は高く、数多くの舞台作品、映像作品を手がけている。

2022年4月26日

今日はなんだか憂鬱である。低気圧のせいね。

気分はまるでカラオケ映像の主人公のように、そびえ立つビルを見上げながらもの想いにふけって「はぁーっ」と溜息。

わたしは昔から自分をとりまく出来事をどうやらドラマティックに捉える癖がある。

例えば、ビルにライトアップされた光や雨水で魅せる幻想的な光の照り返し。
イヤホンから流れるエモいシティーポップはわたしの感情とマッチし、まさに今「主人公」である。

これが、わたしにとっては心地の良い帰路のルーティン。

そんな今日も無事に仕事を終え、家に到着した。
もう23時半。

キッチンに行き遅めの晩御飯を作る。
今日の料理はアラビアータでも作ろうかしらね。

そして料理中に欠かせないのが、映画を観ること。
選ぶのは、これまで何度も観てきた映画。

作りながら映画を観て、完成したら食事と共に続きを観る。これがセットであります。(慣れてないと怪我するから良い子はマネしないでね)

今日は冒頭でも言ったように憂鬱というかセンチメンタルな為、わたしにとっての喝入れの映画でもある大好きな『マイ・インターン』を観ながら料理開始。

————————————

映画に出てくる「ジュールズ」ことアン・ハサウェイの生き方には、わたしにも通ずる部分がたくさんある。

それこそわたしはジュールズみたいに結婚もしてませんし、子どもがいるわけでもありません。

だけど彼女の仕事に対する熱や生き甲斐、それを突き詰めていく孤独感や盲目さ。
目まぐるしく変わる目の前の出来事を、ただひたすら光を見失わないように進んでいく彼女の強さが、共感を生みわたしの背中を押してくれる。

劇中にジュールズがオフィスのドアを開けたままにするか閉めておくか聞かれた時に「どっちでも」と答え、ドアを閉めてもらうのだが「やっぱり開けたままにして」と答えるシーンがあり、わたしもまさにそのような謎の感覚で生きている。

そして、もう1人紹介したいのがこの物語で一番重要な「ベン」ことロバート・デ・ニーロ。
彼は定年後、再び社会の繋がりを求め70歳でジュールズの会社のシニアインターンとして会社に勤めることになり、ベンはジュールズの直属の部下になる。

若くして急成長する企業のCEOになった女性
70歳を迎えた人生の先輩が部下

この2人の関係性が、物語を通して鑑賞者にたくさんのメッセージを伝えてくれる。

————————————

さて、料理も出来たので食事をしながら続きを観ましょう。
アラビアータとワインと共に。笑

————————————

最初は上手くいかない2人ですが、ベンのさりげないスマートなサポート、周囲への気配りと、みんなから愛される存在に。
そしてジュールズもそんな彼に心を開いていく。

特にベンが発する言葉は、いつもわたしをハッとさせてくれる。
まさにこの言葉がほしいというタイミングで、真髄を見透かされてるような後押しする発言と、人への寄り添い方、完璧すぎて泣けてくる。

物語後半
何よりも会社を愛していたジュールズは今の自分のキャパと会社の成長が追いつかず、ましてや旦那が浮気、娘の行事にもついて行けず手に負えなくなっていた為、新たにCEOを雇うことを心に決め、自分が今まで築き上げた仕事よりも家庭をとることを決心する。

彼女が部下のベンに言われたこんな言葉がある。

「長く生きたってたいていの人は 君ほどすばらしいものを生み出せない 自分の夢を夫の浮気のせいであきらめるのか ナンセンスだ 君が作り上げた宝物を 他の誰かに渡してほしくない ……………これが聞きたくて来たんだろう?」

わたし自身も、自分で決心した揺るぎないと思っていた答えがあったとしても、誰かの意見が聞きたくなる。
それは心の奥底に隠れたわたしの意志が、「そうじゃないよ」と言ってほしい時に信頼している誰かに聞きたくなるものだ。

答えがわかっていても、その言葉を聞きにいく。

実に二度手間のようなことなのだが、自分の輪郭は他人がいて初めて感じられるのと同じように、そのプロセスは人生の中で大事なことなのかもしれない。

人は誰もが自分の人生の理想郷を描き、わたし達は前を向いて歩んで孤独に生きてきている、立派な「主人公」です。
だけど、立ち止まり振り返れば今まで見えなかった景色が広がることもある。
誰かが自分を支え、また自分も誰かを支えている。それぞれ前へ進む為に。

いろいろと脱線しましたが、『マイ・インターン』はこの世の中の愛の繋がりを感じるようなそんな作品です。

物語のラストが太極拳で締められるのと同じように、力を抜いて息を吐くように生きていきたいものね。

ジュールズが自分の中にある不安定なものを全て認めてあげた時にようやくホッと息が出来るように
そしてベンのように幾つになっても光を見失わず、スマートに誰かを導けるように。

さてさて

アラビアータもワインもなくなったわ。美味しかったわ。
お風呂に入って寝ます。

深夜のテンションに付き合って下さり、どうもありがとう。
まぁ結局何が言いたかったかというと

彼氏ほしい!

以上よ。

おやすみなさい。
また今度!

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ダンサー・振付師
Seishiro
Seishiro
2015年、日本最大級の振付作品のコンテストでは25歳という歴代最年少で優勝および過去最多の5つの章を受賞。一秒一秒にかけるこだわり、音との巧妙さ、またその構成力に定評があり、人間の裏の一面を垣間見るような独特の世界観は国内外で高い評価を受けている。

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